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新卒看護師が精神科に就職することは正解なのか?【限られた人だけです】

医療業界の中でも少し特殊な領域である精神科。

こんなこと教員によく言われませんか?

「最初から精神科行くと、他の科に行けないよ。看護師なら身体科で学んでから精神科に行ったほうがいいよ。」

本当にそうでしょうか。自分が本当にやりたいのであれば、最初からできる環境に飛びこむのが一番なはずです。それでも不安なのは間違いないですよね。

実際KAIも最初から精神科に行くことについてはめちゃくちゃ悩みました。先生に相談したし、先輩にも相談して、さらに普通の病院にインターンにも行きました。最初から精神科に行く人って、クラスに1人いるかどうかの割合なんですよね。

今回はKAIが学生時代に「新卒で精神科に勤めることについて、こういるところが知りたかったな~」と思ったところについて分かりやすく解説していきます。

✔こんな悩みを解決

・精神科に新卒でいくってどうなの?

・他の科で働けなくなるって本当なの?

✔記事の信頼性

・精神科看護師3年目

・スーパー救急病棟勤務

・新卒で精神科看護師になった男

精神科の看護師というのが特殊なのは間違いないです。精神科看護師について詳しく知りたい方は精神科看護師の役割とは?きついの?やりがいは?【すべて解説します】をご覧ください。

新卒で精神科に就職するのはすべてのひとにおすすめというわけではありません。この記事を読むことで新卒で精神科に勤めるべきかが分かりますよ!

新卒で精神科に勤めることは可能か

結論から言うと、超簡単です。新卒の看護師で精神科に就職する人はかなりいます。KAIもその中の一人で、精神科には新卒で就職しました

精神科単科の病院は新卒の看護師を毎年募集しているので、就職自体はかなり簡単にできます。むしろ既卒より、新卒の方が喜ばれます。育て上げて洗脳するには新卒の方が効率が良いですからね…。

暗い話はさておき、それでは新卒で精神科に就職することはどうでしょうか?

新卒で精神科に就職することはおすすめか?

KAIが伝えたいことは1つです。

一生精神科にいることになりますよ。

つまり、精神科で一生働きたい!精神科の研究がしたい!一生病棟にはいたくない!という気概のある人以外にはマジでおすすめできません。

なぜでしょうか。理由を語っていきます。

精神科の技術は身体科では応用が利かない

自分で精神科に勤めていて思いますが、精神科の技術はちょっと特殊です。というのも、コミュニケーションスキルはバキバキに上がりますし、心理に関する知識や技術も習得できます。そしてそこで得たスキルは日常生活や人生で生かすことができます。

でも、精神科で学んだ心理に関する知識や技術は身体科ではほぼ活用できません。なぜなら時間がかかるうえに求められていないからです。需要がないのです。日本の看護師はとにかく忙しいことで有名です。とにかく入院を取って、退院を促進することが求められます。これは病院が利益を出すためにも必要なことです。

例えば、エリクソンのライフサイクル理論を用いて患者の発達背景を知り、家族構造を考え必要なケアをするのが精神科です。身体科では、数値に基づいた直接的ケアを必要とします。患者の発達を考える時間があるなら体位交換して環境整備しろって話ですね。

つまり、言い方は悪いですが、患者さんや家族の心理に寄り添うより、的確な知識に基づいた技術で素早く仕事を終わらせることが求められます。(努力している方を批判したいわけではありません)求められる役割が全く違うのです。精神科に新卒で行くとつぶしが利かないというのは、この看護師に求められる役割が違うからなんです。

身体科から精神科は可能

精神科から身体科は難しいですが、逆に身体科から精神科は可能です。むしろかなり喜ばれます。なぜなら精神科でも体を見ることは必須だからです。

身体合併症が起こることは良くありますし、急変も実はよく起こります。そんな時に身体科を経験していると、めちゃくちゃ頼られます。少なくともKAIはめっちゃ頼ります。

新卒で精神科にいるとフィジカルアセスメントの技術が全然身につかないんですよね。そこが残念かもしれません。

精神科から精神科の転職はスムーズ

精神科同士での行き来はかなりスムーズです。精神科も看護師は足りていません。というか精神科に勤められる看護師の母数が少ないですからね。

身体科から精神科にきてもすぐやめてしまう人が後を絶ちません。「想像と違った」とか、「自分には合わない」といって辞めていきます。数値ではわからない精神症状の難しさや、病気が完全に治りきることのない精神科が合わないのでしょう。あと、身体科とは違う部分で悩むことが多くなりますからね。

精神科が楽なのは間違いない

これは間違いありません。しかし、楽というのは仕事が簡単という事ではありません。身体科のように謎のサービス残業をすることが殆どない、という事です。

考えてほしいのが、給料が出ないのにやりがいだけで残業できるんですか?という事です。

看護師という職業にやりがいをどう感じるかは自由ですし、批判はしません。しかし、決められた時間内でしっかり仕事が終わる方がいいのは当然ではないでしょうか?

病院はマネジメント不足を個人のせいにしがちです。それで給料が出ないなんて、ただのブラック企業ですし、それでも働いているなんて、その働き方に洗脳されているだけです。

批判ではないですよ。事実を述べているだけです。精神科は謎のサービス残業がほぼないです。新人でもそうです。余裕ができるので、穏やかな性格が形成されてるのだと思っています。

就職するなら精神科単科か、大学病院の精神科か

精神科といっても、様々な精神科があります。例えばKAIが務めているのは民間の精神科単科病院です。つまり、精神科のみの病院になります。

一方で、大学病院や公立病院の精神科もあります。これは大きな病院でさまざまな科がある中の精神科ですね。

結論から言うと、

精神科に新卒で勤めたいくらい強い気持ちがあるなら民間の精神科病院にするべきです。なぜなら精神科の一番濃いところを経験できるからです。

民間病院の精神科が日本を支えている

実は精神科病床数で考えると、世界に比べて日本だけが圧倒的に民間病院が多いのです。つまり、民間の精神科病院が日本の精神科を支えているという現状があります。

授業で精神科にはいくつかの入院形態があることを勉強しましたか?

任意入院、医療保護入院、応急入院、緊急措置、措置入院

精神症状の激しい方のほとんどが医療保護入院をします。自傷他害がある場合は措置入院になります。しかし、大きな病院の精神科は任意入院のみで、医療保護入院や措置入院を取っていないことが多いのです。

もし、本当に精神科を勉強したい、というのであれば精神症状の激しい方をみて、そのような方がどうやって地域に帰っていくのかを知らねばなりません。

つまり、大学病院では精神科の深いところが学べないのです。批判ではなく、役割の違いについて書いているだけですからね

新卒で精神科を求めるなら、深いところまで理解したほうがいいに決まっていますよね。

精神科の表層ではなく、奥深くを体験し実感してほしい、ということです。

精神科看護師の需要は拡大している

精神科の看護師という経験があると、心理のスペシャリストとみられます。そのため、様々な精神領域における資格が取れます。

  • 精神保健福祉士
  • 公認心理士

そしてその経験を生かすことで看護師以外の働き方ができます。

現代はストレス社会であり、メンタルヘルスに関する研究が盛んとなり、需要が伸びています。

ただの病棟看護師の需要よりも、精神に関するスペシャリストの方が需要があるのです。実際、KAIの先輩の中には、コンサルタントになった人や、精神科訪問看護を立ち上げた人もいます。精神科訪問看護なんか時代の最たるものですよね。

結論:新卒で精神科がおすすめのひと

以上のことから、こんな人なら精神科を選ぶのが正解だ!という人を挙げてみました。

  • 一生を精神科に費やしていきたいくらい精神科に興味がある人
  • 医療コンサルタント、精神科訪問看護ステーションなど、病棟看護師以外の働き方を考えている人
  • 人間心理や精神に関する研究をしていきたい人

逆にこの3つに当てはまらないのであれば、本当におすすめできません。

KAIは精神科に一生を費やす予定ですし、研究者として箔をつけて、いろいろな分野で活躍していきたいと思っています。看護師以外の働き方をしてみたいのです。

いかがだったでしょうか。ここまで読んでいただきありがとうございます。

看護学生の方は就職先が決まらない?看護学生の就職について実体験で解説します!読んで、就職活動をはじめていきましょう。就職活動は早く行動して準備した人が勝ちます。理想を叶えるためにも、すぐに行動していきましょう。

精神科で働く仲間が増えることを祈っています。

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