お久しぶりです。現役看護師のKAIです。
看護学生が一番嫌で避けて通りたいのは‥‥そう!
実習中のカンファレンスではないでしょうか!?
KAIが看護学生の頃は、最初のカンファレンスでいきなり教員に怒られるレベルで、本当に苦手でした。特に、実習指導者さんの前で発表するのは緊張しましたね…。
カンファレンスでは何をいったらいいのかわからないし、変なことをいったら怒られるんじゃないかと冷や冷やして、全然発言できませんでした。そんなKAIも看護学生後半にさしかかる3年生、4年生ころにはカンファレンスで司会をするようになり、今では実習指導者として学生のカンファレンスに参加しています。(笑)
指導者として学生のカンファレンスを聞いていると、色々と思うことがありますが、正直なとこと。みんな苦手なんだろうなーと強く感じます。
そこで今回は、カンファレンスが苦手な看護学生に向けて、実習指導者の立場から解説していきたいと思います。
結論から言うと、カンファレンスは事前の準備が全てです。
どんな準備が必要なのでしょうか…?
- ・カンファレンスが苦手でどうやったらうまくいくのかわからない。
- ・司会が緊張して、うまくできない。
- ・これから実習が始まるのでカンファレンスの対策をしておきたい。
・地方公立大学出身
・看護師、保健師、第1種衛生管理者
・現役の4年目看護師、病棟主任、プリセプター経験、教育委員会所属、実習指導経験
・精神科スーパー救急病棟勤務
・昨年も大学、専門学校含め3校ほど実習指導をしております。
目次
そもそもカンファレンスってなんでしょう?
まずはカンファレンスは何なのかを理解していきましょう。
カンファレンスとは…会議のこと
そのままです。
冗談です。すみません。カンファレンスとは、治療の方向性や看護の方向性について話し合ったり、悩んでいることの共有と対策、などを目的として参加者の間で会議を行うことを指します。
実習においてのカンファレンスは、自分が分からないことやうまくいかないことについて意見を聞ける場だと考えてください。
ですから、緊張するとは思いますが、活発なカンファレンスをする方が指導者としてもアドバイスをしやすいです。評価ももちろん高くなります。
カンファレンスが苦手な人は多いですが、発想を転換して、カンファレンスを嫌なことと考えるよりは、むしろプラスにする場であると考えてほしいですね。
カンファレンスの司会の役割は?進め方は?
看護学生のカンファレンスにおいて、必ず必要になるのは司会と書記です。まぁ書記は誰でもできるのでいったん省きます。字は丁寧に書きましょう。
重要なのは、司会です。
どんな話し合いでも、司会は必要になると思いますが、カンファレンスにおいても司会はやはり重要です。
司会の主な役割は、円滑なカンファレンスの進行と最後のまとめですね。
よくあるカンファレンスのダメなパターン
Aさん「患者さんは50歳の男性で、診断は統合失調症。夜眠れないので、昼間に寝てしまうそうです。どのように対応したらいいでしょうか?」
司会「Bさんはどうですか?」
Bさん「私は~がいいと思います。」
司会「Cさんはどうですか」
Cさん「私の患者さんも…」
司会「ほかに意見はありますか?では他に相談したいことはありますか?」
何がよくないか気づけましたか??
…。
司会は「各メンバーに質問をするだけ」ではだめなのです。円滑な進行のためには、Bさんの意見をまとめること。Cさんの意見をまとめることが重要です。
ただ意見を言い合うのではなく、意見に対してさらに意見を言ってもらうことでカンファレンスは深まっていきます。できればその役割を司会に頑張ってもらいたいところです。
「つまりBさんとしては~と考えているのですね?それに対してはAさん、Cさんはどうですか?」
こんな感じでちょっとだけでもいいのでまとめてあげましょう。これだけでかなり評価高いです。
ぶっちゃけ3年生とか4年生でもこれができている人はほとんどいません…。指導者としては正直残念だなぁと思います。もちろん司会だけの責任ではないんですけどね。
メンバーによっては頓珍漢なことを言う人や、そもそも発言をしない人とかもいるので。
それでも正直な話、多少テーマがずれたり、変だったりしても、活発なカンファレンスの方が評価は圧倒的に高いです。
カンファレンスのテーマ設定はどうしたらいい?
ここまで来たら、カンファレンスのテーマをどう設定するかを考えていきましょう。
テーマの設定において、意識してほしいことは3つほどあります。
- 実習の目標にそった内容になっているか
- メンバーの多くが悩んでいる事柄
- 今行っている看護をより良くするためにどうしたらいいのか
1つ1つ解説していきます。
・実習目標に沿ったカンファレンステーマになっている
実習が始まったころ、つまり初期のテーマになると思います。どの学校でも実習要綱があり、そこに実習目標が記載されているはずです。また、学校によっては、初日は病棟を知る、2日目は情報収集、3日目は全体像…など目標がある程度定まっているはずです。実習はこの目標を達成するために行うので、カンファレンステーマの設定においては重要ですし、間違いないテーマになります。
KAIはもちろんそんなんもの読んだこと殆どありません!学生時代はね!今はよく読んでます。
・メンバーの多くが悩んでいる事柄
実習中盤のテーマになると思います。実習のメンバーみんなが悩んでいるという事は、それだけ難しい、かつ重要度の高い事柄であると考えられます。
例えば、どんな体位でどんなおむつ交換がいいのか、入浴介助の時にどうしたらいいか、などなど上げればきりがないです。それだけ普遍的な悩みなのでテーマとしてはばっちりです。指導者的にも、「それ悩むよね~わかるわかる」って感じです。
・今行っている看護をより良くするためにはどうしたらよいか
実習後半のテーマになってくると思いますが、自分の看護を評価するのってめちゃくちゃ難しいんですよね。なので、せっかくならカンファレンステーマにした方が意見を聞けるし、指導者と教員からもアドバイスがもらえるという1石3長くらいお得です。
指導者も別に看護学生をいじめたいわけではありません。普通の看護師は、看護について積極的に考えて質問してくれる学生さんは大好きですよ。普通の看護師はね…。
カンファレンスが苦手な人はゴールを決めておくとベスト!
実はこれが一番おすすめかもしれません。
カンファレンスはテーマを設定すると同時に、ゴールを決めておきましょう!
なぜかというと、カンファレンスの内容を最後にまとめやすくなるからです。
テーマに沿ってしっかり話し合ってうまくまとまればいいのですが、そんなに簡単にはいきません。学生がそれぞれの意見を言い合っていると、話が大筋からずれたり、関係のない話まで飛ぶことがしばしばあります。結局なにがいいたいの?みたいにぐちゃぐちゃになるカンファレンスを死ぬほど見てきました…(笑)。
例えば、患者さんとのコミュニケーションで、どんな声掛けをすればいいのかわからない。
こんなテーマを設定した時には、最終的には「~という声掛けは効果的なのではないだろうか、~という声掛けはよくないのではないだろうか」こんなところになると思います。これを事前に考えてそこにもっていくことが重要です。
よくある失敗例は、学生がみんなで意見を言って、それで終了パターンです。
KAIはこれを薄味カンファレンスと呼んでいます。思ってることをそれぞれ言ってコメントを求められても…で?ってなります(笑)。
カンファレンスはみんなで話し合って、話をどんどん深めていくことに意味があります。それなのに意見を言っただけで終わるのではもったいないです。指導者としては「何について悩んでいて、どんな意見を持っていて、学生はどのような思考をしているか」が知りたいんです。
事前にどこにゴールを持っていくかを決めておくと、話がづれないし、司会がうまくまとめてしっかり教員と指導者に質問もできますよね。
ですから、カンファレンステーマを決めると同時に、最後はどんな風に終わるのかを想定しておくと、とてもよいカンファレンスになります。
カンファレンスで一番重要なことは?
カンファレンスでこれだけは外してはいけない。という事があります。それは患者さんが主体であるという事。
例えば、看護学生でありがちなのが、「~のケアをしたいと思っています…」というもの。でもこれってあなたがやりたいだけですよね?患者さんは本当にやってほしいと思ってますか?
もちろん1年目ですからどんどん間違えてください。間違えて学ぶことも沢山あります。
難しいかもしれないですけど。
あなたがしたいからする。ではなく、
~という理由で必要だと考えているためケアをしたいと思っています。
ですよね?
カンファレンスも同様で主体は患者さんであるという事を忘れないようにしましょう。逆に言えばこの考え方が身につけば、あなたはすでに一人前の看護師です。気持ちだけでも看護師です。現役の看護師でもこの考えができてない人多いですからね‥。
カンファレンスのすすめ方
最後のおさらいをしていきましょう。
カンファレンスは下記の手順で進めていきます。
- カンファレンステーマとゴールを事前に話し合って決めておく
- 司会、書記を設定する
- テーマの発表と意見交換
- 司会が結論をまとめて発表
- 看護教員、指導者にコメントをもらう。
最後に看護学生におすすめなカンファレンステーマ
ここまで偉そうに語ってきましたが、一応現役看護師のKAIが看護学生時代によく使用していたカンファレンステーマを挙げておきます。ガンガン使っちゃて下さい。これだけあればおそらく2週間の実習は余裕で耐えられるかなーと思います。
病棟見学と患者さんとのコミュニケーションを通して感じたこと、疑問に思ったこと
患者さんから必要だと思う情報が取れない
患者さんとのコミュニケーションが苦手でどこまで踏み込んでいいか分からない
全体像について予測される問題が思いつかない
全体像について問題点が多すぎて優先順位がつけられない
この患者さんにあった看護目標が分からない
看護計画の内容についてあっているかどうか(TP、OP、EPの各項目について)
看護の実践で困ったこと、悩んでいること
看護実施後の評価があっているか、どう修正したらいいのか
まとめ
いかがだったでしょうか?
- 1. カンファレンスの司会はまとめ役で円滑に会議を進める役割がある
- 2.円滑にカンファレンスを進めるためには、参加者の意見をまとめてそれに対する意見をもらうように意識する
- 3.カンファレンステーマの設定で意識することは3つある。実習目標に沿ったテーマ、メンバー共通の悩み、今行っている看護をよりよくするための対策
- 4.カンファレンステーマを設定したら、ゴールも決めておくとうまくカンファレンスが進む
- 5.患者さんが主体であることを忘れない
今回解説したことを意識することで、カンファレンスがうまく進むようになっていき、評価も上がり、苦手意識が消えていくと思います。
看護学生は1年生が一番大変です。今まで経験したことの無い体験の連続ですからね。あなたの看護学生生活が少しでも有意義になることを祈っています…。
他にもさまざま記事を書いているのでチェックしてみてください。
看護学生の実習が不安!少しでも楽にクリアしたい!という方は看護学生の実習がつらいのは本当か?【眠れるコツは記録にあります】じっくりと解説していますのでチェックしてください。
実習をしていると、私は看護学生にむいていないのかなぁ・・・と悩むことがあると思います。そんな方向けに、【看護学生をやめたい!】ちょっと待って。本当にやめるべきなの?現役看護師が実体験を交えて解説します。という記事があります。もし悩んでいるなら参考になるはずですよ。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
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