看護学生が就職するためには欠かすことができないインターンシップ。そろそろ周りもインターンシップに行き始めているし、私も始めようかな、と考えていませんか?
インターンシップとは職業体験のことで、病棟見学を行った後、実際に病棟に入り看護師が働いている様子を見学します。
インターンシップにそもそも参加するべきなのか?いつからいけばいいのか?どんな準備をしていけばいいのか?どんな質問したらいいのか?分からないことばかり・・・
分からないことは多いですよね。この記事では、実際にインターンシップと病院見学会の対応をしているKAIがインターンシップに関する疑問をすべて解説していきます。
- そもそもインターンに行くべきなのか?
- いつからいけばいいのか?
- どんな準備や服装をしていけばいいのか?
- どんな質問をしたらいいのか?
- どんなところを見られているのか?
- 地方公立大学出身
- 看護師、保健師、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタント
- 現在は精神看護学修士課程に在籍しながら、精神科訪問看護師として活動中
- 精神科救急病棟で看護師として5年勤務、元病棟主任、プリセプター経験あり、教育委員会所属、実習指導経験あり
- インターンシップ、見学会対応担当
KAIは実際に6つの病院にインターンに言っていますので体験談も交えて解説します。
結論から言うと、就職に失敗しないためにもインターンシップには絶対に行くべきです。1年生で行く必要はなくて、3年目の夏か冬がベストになります。
看護師にとって、1年目の就職先というのは非常に重要です。なぜなら、今後一生働くかもしれない病院であり、教育体制や働き方は病院によって違いが大きいからです。
目次
看護学生はインターンに行くべきです!
看護学生はなぜインターンシップにいくべきなのでしょうか?インターンシップとは何をするのでしょうか?
インターンシップと病院見学の違い
就職するには段階を踏む必要があります。
ステップとしては、以下の通りです。
- 合同就職説明会に参加
- 興味をもった病院の担当者と相談する
- 病院見学かインターンシップに参加する
- 履歴書を提出し就職試験を受ける
今回は重要なステップの③、病院見学とインターンシップについて解説します。
インターンシップの内容
インターンシップとは職業体験のことです。基本的には1日をかけて病院と病棟見学を体験します。
- 9時ごろ集合、着替え、オリエンテーション(病院概要や福利厚生の説明)
- 病院内の各施設や病棟見学
- 希望の病棟に行き、病棟Nsの仕事を見学
- 先輩ナースと一緒に食事をとりながら雑談
- 午後の病棟見学
- 病院案内+説明会
※オリエンテーションや福利厚生の説明は病院によって前後します
上記の流れを1日かけて行います。
つまりインターンは病棟の雰囲気や看護師と話をすることが出来る上に、病院見学も兼ねているんですね。
病院見学会の内容
- 9時ごろに集合、スーツのままで病院説明会に参加
- 病院内の各施設や病棟見学
※午前のみで終わることが多いです。
病院見学では施設の特徴や、福利厚生などの説明を聞くことができます。病院見学はしますが、短時間なので、病院での看護師の仕事ぶりを実際に見ることはできません。基本的には午前、もしくは午後のみで終了になります。短時間で終わるので参加するほうとしては簡単ですが、病院見学だと現場の声が聴けないので、上層部の耳の良い話を聞いて終わってしまいます。
病院見学、インターンシップの対応をしていた身としては、説明する時間が足りないぁと思ってしまいます。病院を見に行くのですから実際の看護師の声は本当に聞いたほうがいいですよ。実際の給料や残業の有無、人間関係や教育レベル…。
働き始めたばかりの新人が笑顔なのか、しんどい顔なのかで病棟の雰囲気がバッチリ分かります。
重要なのは現場で働いている看護師の声なので、時間がないなら病院見学でも仕方ないですが、基本はインターンシップに行きましょう。
インターンシップの目的とは?
✔看護体験を通して実際に働くイメージを持つ
✔現場のナースの声を聴く
✔就職に有利になる
病院見学だけでは働くイメージは全く持てません。自分たちが働く病棟の現場を知らずに就職を決めるのは本当に危ないことです。
KAIの勤める病院の担当者が言っていたことですが、
「病院見学は表面的だけど、インターンシップは本当に働きたいと思ってくれている人が多い。だからインターンシップに来た子はかなり印象に残っていて、就職にも有利だよ」
逆に考えてほしいのですが、インターンに来ていない学生が、面接で志望動機を話したとします。
「貴院の~なところに興味を持ち、私の~を生かして働いてきたいを考えています」
これ信じられますか? KAIは無理ですね。(笑)
インターンに来て、沢山質問して興味を持ってくれる学生のほうが、病院が欲しい人材なのは当然です。
インターンは複数の病院を比較
インターンに行く場合は必ず1つの病院だけではなく、少なくとも3つ以上は行くようにしましょう。KAIは精神科の病院だけで6つインターンに行きました。
なぜ複数の病院にインターンに行くかというと、複数の病院を比較することで見えてくるものがあるからです。
例えば、
- 給料(基本給と手当の内訳)、夜勤手当、ボーナス
- 年間休日、週休〇日、有給取得率
- 福利厚生(住宅手当、通勤手当など)
- キャリア支援(大学院支援、資格取得支援)
など、看護師の待遇は病院ごとにかなり差があります。
A病院では基本給が高い代わりに夜勤が1回1万円。住宅補助が2万円。専門看護師をとる場合には休職扱いになる。
B病院では基本給が低い代わりに夜勤が1回1万5千円。住宅補助が20%。専門看護師をとる場合には1度退職扱いになる。
自分の理想がすべて叶う病院はないと思います。ワークライフバランス重視なのか、ずっとそこで働いていきたいのか。どのようなキャリアを思い描いているでしょうか?
あなたは働くうえで何を重視しますか?
病院を複数見ることで違いが分かり、より自分に合った明確に働きたい病院が分かります。
インターンシップは時間を空けずに終わらせる
インターンに行くなら1週間と決めて毎日違う病院に行きましょう。そして一気に終わらせるのです。
間隔を開けると病院の特徴を忘れてしまうためです。
メモ帳に必死で書いても、どうせ忘れます。時間がない中で行くのは結構大変だと思います。であれば、一気にインターンに行きまくって就職先を決めてしまいましょう。
KAIは苦学生でしたし、地方だったので、東京までの交通費を出してくれる病院を一つ選びました。学生は貧乏なので交通費や宿泊費を準備するのが大変です。負担してくれる病院を1つ選んで、一気に終わらせましょう。ついでに旅行を楽しんでください。
KAIはインターンで知り合った男子と飲みに行って、他に良い病院がないか情報を聞いてましたよ(笑)
インターンは長い旅になるのでタフなリュックが必要になります。高性能でおしゃれな防水リュックがおすすめなので【看護学生におすすめのリュック厳選4つ【周りと差がつく】を読んで良いリュックを手に入れちゃいましょう!
インターンシップはいつからいくべきなのか。
結論から言うと、3年目の夏か冬がお勧めです。
なぜなら4年の春に就職試験を受けることが出来るからです。病院によっては月に1度のペースで採用試験を行っているところもありますが、定員を満たした時点で採用試験を終了してしまいます。
希望していた病院の募集が終了してしまった…という事にならないためには看護学生4年目の最初に受けたほうがいいです。
ちなみに、早い時期に就職試験を受ける方が病院側としても好印象です。4年目の秋以降の就職試験は別の病院を落ちた人が多いので、病院側の選考も厳しくなりますし、枠も少なくなります。
早めにインターンに行って、周りに差をつけておきましょう。KAIは3年生の夏に1つだけ見に行ったんですが、他の病院が気になりすぎて、冬にまとめてインターンにいきましたね。
就職について悩んでいるという方は【就職先が決まらない?】看護学生の就職について実体験で解説します!をぜひ確認してください。就職先の決め方や選び方、実際のスケジュールなどを解説しています。
KAIがインターンシップで実際に聞いていた質問
KAIがインターンシップで絶対に聞いていた質問を公開します。
- 勤務体制
- 昇給の平均額
- 夜勤は月何回までか
- キャリアアップ支援について
- 専門看護師や認定看護師を希望する場合、休職中の給料
- 看護体制
- パートナーシップか、チームか、役割機能別か、プライマリーか
- 支給されるものは何か、ナース服のクリーニングは
- 男性看護師の数
- 週休2日か完全週休2日か
- 現場ナースの働きやすさ
- 病院が一番売りにしているところ
これだけ聞いておけば十分です。すぐに志望動機が書けます。
学生がついているのにすごく忙しそうだったり、大変そうな病棟は悪印象です。ブラック病院でマネジメントがうまくできていないんだろうか、と感じますよね。
さらに、意外に重要なのは病院のアピールポイントを聞くことです。今後病院が力を入れていきたいところが分かります。自分が興味があってやりたいことと、病院が一番やってほしいことが必ずしも一致しているとは限りません。
自分のやりたいことばかりアピールしても就職には受からないでしょう。自分の希望と病院の特徴が合致していることが重要なのです。
病院の一員として働くわけですから、病院の特徴は必ず知っておきましょう。ここを確認することで、志望動機がかなり具体的に絞れますよ。
担当者が重視している点は?服装は?
インターンシップの対応をしているKAIが解説します。
ズバリ、重要なのはコミュニケーション能力です。
頭がいいとか、マナーがしっかりしているのももちろん重要ですが、それ以上に適応力が求められます。看護師は臨機応変に多職種や患者さんとコミュニケーションをとり、仕事をしていく必要があります。
インターンシップでも、積極的に質問できるか、先輩ナースとうまくコミュニケーションをとれるかをKAIは見ています。
質問することは決して悪いことではありません。KAIは質問をしてれる子にはしっかり答えますし、それだけ真剣に考えているんだなと好印象です。
あと、服装は絶対にスーツでいってくださいね?社会人として当然のことですが、たまに着てこない人がいたりしますので…皆さんは大丈夫ですよねきっと…。
まとめ
- インターンシップは職業体験であり、病院見学も兼ねる
- 病院見学に来た学生は印象に残らない。インターンは印象に残るので就職に有利
- インターンシップを行うことで実際の労働環境が分かる
- インターンシップに参加するなら複数の病院に行き、比較する
- インターンシップに行くなら3年目の夏、もしくは冬がおすすめ
- KAIの質問例を参考にして質問攻めにすると、印象に残る上に志望動機が書きやすくなる
- 担当者はコミュニケーションスキルを見ている
もう一度伝えますが、学生ならインターンシップに絶対に行くべきです。
インターンシップに行かない!という選択肢はありません。
あなたの社会人人生の第一歩。ここでブラック病院を選んで失敗すると、かなり落ち込みます。そんな同期を沢山見ています。転職して立て直すこともできますが、 時間とお金が非常にかかります。
この記事を参考に沢山の病院を見に行ってみてください。そして自分に合った良い病院を選び出してください。あなたのキャリアがうまくいくことを願っております。
ここまで読んでいただきありがとうございました。