看護業界はつらく、厳しい業界です。新人の離職率が職業中トップクラス。その数なんとと7.6%(日本看護協会調査)。
毎年5万人近くの方が正看護師に合格しています。
つまり、5万人の7.6%、すなわち3800人近くが毎年離職しているのです。
離職に至る理由は様々ですが、ほとんどの方が転職するか、別の職業に就職しています。せっかく苦労してとった資格です。可能であればうまく生かして働きたいですよね?
✔こんな悩みを解決
・1年目で転職は可能なの?
・1年目の転職で気を付けることは何?
・1年目の年収はどれくらい?転職すると変わる?
・辞めたいと思った時の対処法とは?
この記事ではこういった悩みを解決していきます。環境を変えるには行動あるのみです。
この記事を読むことで、1年目での転職するコツや注意する点について分かります。
✔記事の信頼性
☑現役の精神科看護師
☑スーパー救急病棟勤務
☑1年目の転職先は精神科が多い
結論から言うと、1年目の転職は可能ですが転職先は限られます。なるべくなら3年間働くのがベストです。
転職のためには、転職サイトに登録して情報収するのが一番。看護師転職に強いサイト・転職エージェント4選【複数登録でOK】を読んで登録をしておきましょう。特にジョブメドレーがおすすめですよ。
そして転職前には自分の強みをハッキリさせましょう。看護師の向き不向きを診断するには?【最強の強み診断を紹介】を確認してください!
目次
看護師1年目は転職可能?
1年目の転職は可能
結論から言うと、1年目の転職は可能です。ただし、職場はかなり限定されます。
理由は2つあります。
- 1年目で辞めると、スキルや技術、知識が不足している状態と思われる
- どんな理由で退職しても、メンタルが弱いと思われることがある
どの病院でも看護師は不足していますが、病院側が求めているのは即戦力かつ長く働ける人なのです。
看護師教育は3年かけて行うのが一般的です。そのため1年目でやめると、基礎看護技術や看護過程を習得できていないため即戦力になることができません。また、1年目で辞める=メンタルがよわいのではないか?という図式ができます。
メンタル面が弱いと長く働くことができず、また転職や休職をしてしまうのではないかと心配されます。
よって、残念ながら1年目でやめた場合は大学病院や救急病院、訪問看護などで働くのが難しくなります。
1年目で転職が可能な職場はどこ?
1年目でやめても、再就職しやすい場所があります。
それは「民間の慢性期の病院」や「精神科病院」です。
理由としては、以下が挙げられます。
- 病棟の流れがゆっくりしているため、新人を育てる余裕がある
- 新卒で入職する人が少ないため歓迎される
新卒のキラキラした子たちってバリバリ働くのにあこがれるんですよね。KAIもそうでした。そのため、新卒看護師には民間の大きい病院や公立病院、大学病院が人気です。大きな病院は福利厚生や教育制度が充実しているので気持ちは分かります。ただ、新卒採用100人中、何人が1年目で辞めていくのでしょうか…。
一方、慢性期の療養型病院や精神科は新卒の看護師が10人程度だったりします。
看護配置の問題もありますが、それだけ新人採用の人数差があるのです。つまり、慢性期病院や精神科も常に人手不足なんですね。新人をなんとか辞めないよう優しく指導しているのが実情です。
KAIの勤める病院は、1年目で転職してきたとしても大歓迎ですよ。
看護師Sさんの体験談
ここで、1年目の夏で外科を辞めて転職してきたSさんの体験談を紹介します。
新卒で入職したのは、設立したばかりの非常にきれいな400床規模の大型病院。Sさんは外科にあこがれていたこともあり、希望して整形外科になりました。
しかし、働き始めるとあこがれは失望に変わったといいます。新人に対して冷たいお局、余裕のない先輩、毎日夜まで残業。それでも必死に食らいついていったそうです。
多忙な毎日で少しづつ体調を崩していったSさん。気づいたら新卒で入職した友達が殆ど辞めていたそうです。「そろそろ自分がやめる番かな」と考えたころには、病院に行くのを体が拒否し始め、ついに夏に辞めました。
しばらくは実家で休養。そろそろ働かないといけないな、と感じていた時に学生時代のメンターからKAIの働いている精神科病院を紹介されたそうです。はじめは精神科が怖かったそうですが、インターンにきて人間関係の良さをみて働いてみたい、と強く感じたそうです。
Sさんは今もリーダーシップを発揮して積極的に働いてくれています。リーダーも早々にできるようになって頼れる後輩です。明るく元気で勉強熱心です。Sさんの本来の特性が、人間関係の悪い職場環境のせいで、発揮できていなかったのは本当にもったいないなと感じました。
このように大型病院を早々に辞めた人が、精神科に転職してくることは珍しくありません。精神科は圧倒的に人間関係が良好です。今の職場があっていなければ、精神科を強くおすすめしますよ(笑)
精神科について詳しく知りたい方は精神科看護師の役割とは?きついの?やりがいは?【すべて解説します】をご覧ください。
1年目の転職の注意点とは?
2つあります。
・退職理由を前向きなものにする
・教育体制が整っている職場にする
退職理由を前向きなものにする
正直に「人間関係がしんどくてやめました。残業も出ないんです」といっても転職はできません。正直は美徳ですが、ここはうまく理由をつけましょう。
例えば、
「外科で術前の患者さんや家族をみて、精神のケアが必要なのに全くできていないことに気づきました。もともと精神科に興味があったのですが、働くうちにますますその気持ちが強くなり、精神科で働いてみたいと思うようになりました。」
これ実際にKAIの後輩が面接で言ったらしいです。前向きですよね?とにかく何かしらのポジティブな理由を考えましょう。そして、自分の得意分野がどう病院に生かせるかを考えましょう。
教育体制が整っている職場にする
次に教育体制が整っているかをチェックしましょう。
ラダー制度があるか、資格応援制度があるか、勉強会があるか、などです。1年目でも経験があるとみなされ、すぐに1人立ちになってしまう職場があります。(そう、KAIの職場です…)
全く違う分野に来たのであれば必要な知識や技術、アセスメントが異なります。
例えば、外科で処置介助をメインにやっていた人が、いきなり精神科的コミュニケーションをとることはできませんよね?
転職者でもしっかり教育してくれる職場を選びましょう。ブラック病院ほど教育を疎かにしがちですので注意してください。
1年目の年収はどれくらい? 転職すると変わる?
1年目の平均給与は、
高卒+3年課程卒の新卒看護師 263.551円
大学の新卒看護師 271.381円
よってボーナス4か月で計算すると、年収は400万円程度になります。しかし残念ながら、1年目の転職で給料がUPする可能性はかなり低いです。
なぜなら、病院側が必要としているのはあくまでも、即戦力で長く働ける人材だからです。
転職で給料がUPするパターンは2つ。
- 元々病院がブラックで給料が低い
- 経験とスキルと実績がありそれが評価されて給料が上がる。
転職の際には給料交渉ができます。
「この技術ができます、主任で管理をしていました、」など能力に対して経験手当がつくのです。KAIの上司は精神科で10年働いて今の職場に来ました。経験手当が30000円ついたそうです。
しかし、1年目で辞めた場合は、2つ目の条件には当てはまりませんよね?そのため年収のUPは難しいのです。
また、最初から平均より給料が高すぎる職場はブラックな可能性が大です。給料が高くても、人間関係が悪かったり、サービス残業があったら意味なし。
転職先を探すときは給料UPよりも、人間関係や働きやすさ、教育面を重視しましょう。転職先で実績を残して昇進すれば自然に給料がUPしますからね。
ちなみに、看護師の給料が低い理由【金持ち父さん貧乏父さんを使って解説】を読むとなぜ看護師の給料が低いのか、その理由が分かるはずです。
辞めたいと思った時の対処法とは?
辞めたい理由は以下の4つに大別されるはず。
・人間関係がつらい
・業務量が多く、仕事が終わらない
・夜勤がつらい
・人の命がかかっているのでミスが怖い
どの職場でも、人間関係の問題が1番多いといわれています。詳しく書いているので【この世にはブラックな病院しかないのか?】看護師を辞めたい理由と対処法について解説します。をご覧ください。
大事なことは転職を考えた理由としっかり向き合うことです。
完璧な働きやすい職場はなく、どこかで妥協は必要です。もし、人間関係で悩んでいるのであれば職場を変えることがお勧めです。世の中には働ける場所が沢山あります。視野を広げて、外に目を向けてみましょう。
KAIも人間関係で悩むことが多いですが、精神科は間違いなく他の科よりも悩みが少ないです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
- 看護師の1年目は3800人近く辞めている。
- 1年目でも転職は可能。しかし、スキル不足であり長く続けられないと思われるため「大学病院、救急病院、訪問看護」は難しく、「慢性期病院、精神科」が就職しやすい。
- 1年目で転職する際には「前向きな退職理由」を準備して「教育体制が整っている」病院を探すべきである。
- 1年目で転職するときに年収UPは望めない。なぜなら、スキルと経験不足だから。
- 辞めたいと思ったときには、理由と向き合う。人間関係の問題が一番多いので、職場を変えることは有効。
1年目でも転職する方は沢山います。
つらいまま自分をけずって仕事をしていきますか?
それとも職場を変えて自分の人生を楽しみますか?
あなたに合った職場はきっと見つかります。ぜひ行動してみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。