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コロナの影響と精神科看護師として思う事【悲しい真実】

今回の記事はコラムです。KAIが考えていることをひたすら語ります。精神科勤務ですので、特有の視点で語っていきます。前線で働くみなさんへ、少しでもエールになれば、と考えています。

まず、コロナウイルスが感染拡大しているなか、前線で頑張る皆さん。

本当にお疲れ様です。どんな理由があるにせよ、危険が多い中働いているすべての方に感謝です。

KAI自身も精神科救急の現場で日々患者さんを受け入れています。精神科救急といえど、毎日沢山の方が入院される現状があり、熱や呼吸症状がなくても感染の危険性は非常に高いです。

むしろ身体科の救急の受け入れ先が減ることで、救急相談が増加している現状もあります。

KAIの勤める病院でも、ピリピリした状態が継続しており、職員1人1人の疲れがどんどんたまっています。KAIは精神科ですから、精神科らしく、働く医療職の方すべてに精神的エールができればと思っています。

✔KAIはこんな人

☑精神科看護師

☑スーパー救急病棟勤務

働くすべての看護師を尊敬

最前線にいるわけではありませんが、明らかに需要に対して供給が足りていないことが予測できます。つまり人材不足という事です。

もともと人材不足が叫ばれている看護師が、感染し休業を余儀なくされている現状。どう考えても、人手不足ですよね。

つい最近、コロナ陽性の看護師が出勤していたというニュースがありました。これは看護師個人が悪いのではありません。それだけ人手不足になっている現状と、人手不足になってしまう病院の経営、国の保証の無さが問題でしょう。

看護業務はそもそもハードな業務であり、何も感染対策はコロナだけにとどまりませんよね。排泄介助一つでも感染のリスクがあります。例えば、白血病の方の対応であれば、自分自身が危険な接触者の立場になります。

看護師という職業自体が日々神経をすり減らしてする仕事です。その中でさらに人員が減っている。過酷な業務体制が生まれるのは至極当然のことです。

そんな中でも働いている看護師の皆さんすべてをKAIは尊敬します。看護師の社会的地位がこんなに低いのは「日本」だけですよ。

精神科におけるコロナの立ち位置       

さて、大きな病院の精神科であれば精神症状が激しくても、コロナに対して何かしらの対策はできているかもしれません。しかし、日本の精神科医療は民間の医療機関が支えているのが現状です。そして、民間病院の多くは精神科のみを見る、いわゆる単科病院になります。

単科精神科病院でコロナウイルスの患者が発見されたらどうなるのでしょうか。

はっきりいって、精神科病院で重症肺炎+感染症に対策できる病院なんてありません。大きい病院に転院搬送という対策しかないのです。

ここで疑問が1つ生まれます。

措置患者がコロナウイルス感染者であった場合は?

措置入院について簡単に解説すると、一番強制力の高い国の指示による強制入院です。「自傷他害の恐れ」があるため入院となっています。そのため、他の病院に受診するにしろ転院するにしろ、なにか行動を起こす場合は知事に伝えて厳重な対応が求められます。

では、「自傷他害の恐れ」+「コロナウイルス」の組み合わせの場合は?

コロナウイルスの対策ができる病院は「精神症状」を理由に断られるでしょう。

「精神症状」+「感染症」+「呼吸器」を見れる病院がベストですが、果たして受け入れてくれるでしょうか…。

KAIの今までの経験から措置入院を指定する精神保健福祉局はほとんど役に立たないでしょう。打診先をすべて断られ、結局院内で何とかせねばならなくなります。

つまり、どこも受け入れてくれない「コロナ+精神症状」の方は精神科単科の病院で治療をせねばなりません。

コロナウイルスの影響は「精神科」においてもかなりの脅威になりうるのです。

想像しただけで恐怖です。精神科看護師も常に危険にさらされているのです。この点を早急に対策せねば、民間の医療機関の未来は危ういでしょう。

コロナ精神病が増加中

コロナウイルスの影響は生命だけでなく経済にも打撃を与えています。かの「リーマンショック」と同じように「コロナショック」で株価が急落しています。

経済が回らなくなるという事は必然仕事がなくなる人も増えます。

幸い、医療業界はむしろ需要が高まり失業の危険は薄いです。生命の危険のリスクは常に付きまといますが…。

話を戻します。失業の危険=生活が成り立たなくなる。ローンの返済は?家族を養うのは?

このような図式が生まれ一般のサラリーマンは常に失業の恐怖と闘わなければならないでしょう。安定雇用の企業など、もうどこにもありません。

不安障害、パニック障害、うつ病の方は一層増えることでしょう。過度のストレスから統合失調症を発症していしまう人も少なくないはず。

実際精神科救急の現場ではコロナウイルスの影響を機に、精神症状を悪化させた方の入院が増えています。精神科救急の需要も増え続けているのです。

コロナウイルスの感染対策だけでなく、社会保障の制度を早急に作らなければ安心は生まれず、国民は混乱していくでしょう。現在、10万円の定額給付金の施行が始まろうとしています。KAIは政治に疎いので、この施策がどのような影響をもたらすかは分かりません。

専門家に任せるのが一番ですので、今後も国会の動向を追っていきます。

医療従事者への差別・誹謗中傷について

日本看護協会の声明にありました。

  • 職員の子どもに対するいじめや、保育園の出入り禁止などの差別
  • 訪問看護師に対して「感染が拡大するだろ」と話す
  • タクシー乗車拒否

感情論で話すと、本当にひどい話だし、被害を受けた方がかわいそうです。

前線で自分の「命」を危険にさらして「いのち」を救う。なのに救うべき存在に「嫌煙」される。

医療者の心には仕事に対する「葛藤」が生まれ、苦しみの中で働いていくことになるでしょう。

しかし、これは仕方がないことです。日本は国民皆保険制度であり誰もが簡単に医療を受けられる仕組みがあります。そのため、医療に関しては医療者任せであり、「ヘルスリテラシー」がかなり低いのです。無知の知とは言ったものですが、国民は自分が健康において無知であることを知りません。上記の差別も「無知」な国民による行動であるといえるでしょう。

どんなに看護協会が叫ぼうと、マスコミが報道しようと何も変わりません。ただ無視するのみです。

日本看護協会の復職願いについて

この状況で正義感で復職する人間がいると思いますか?絶対いません。断言します。

そもそも人間は「損失回避」する生き物。「プロスペクト理論」でも知られるように、人間は利益の何倍も損失が怖い生き物です。

低賃金、危険手当なし、24時間の不規則勤務、感染のリスク、差別の対象…

これらのマイナス要素をクリアできる保証がありますか?

ちなみに、日本看護協会が危険手当の要求をしたようです。この判断は正しいですね。ただしそれが通るかはまた別の話。看護は政治に弱いですから…。

危険手当がつくことは看護師の意欲のUPにつながると思います。しかし、「リスク」は全く取り除かれていないし、保証もありません。

危険手当で解決できる問題はあると思います。しかし、それを大きく上回るリスクは?

今後の課題になるはずです。

それでも奮闘する医療従事者

  • 感染のリスク
  • 手当のない状況での過酷な労働環境
  • 人員の不足
  • 差別の対象

これらのリスクをふまえても私たちは働かなければなりません。

「奉仕の心」「社会に貢献」「お金が欲しい」さまざまな理由があると思います。

どのような理由でも、働き続ける医療者の方はすべて尊敬されるべきです。決しての差別の対象になるような人たちではありません。

KAIは自分にできることをします。精神科救急で来る、苦しんでいる患者さんを救うための看護です。

各科の一人一人ができうる最高の医療を提供していきましょう。

つたない文章を読んでいただき、ありがとうございました。あまりのハードな環境に感情が揺さぶられてしまいこの記事を書きました。

KAIの病棟はチームを分けて対応しています。

コロナはまだまだ年単位で続きます。お体に気を付けてください。

追記:医療者に対する慰労金の給付が決定(2020/6/15)

令和2年5月27日、厚労省のHPにて予算案が公開。その中に、

・患者と接する医療従事者等への慰労金の支給
・介護・障害福祉事業所に勤務し、利用者と接する職員への慰労金の支給

上記の記載がありました。どうやら、慰労金の給付が決定したようです。

コロナ病棟はかなりの赤字のようで、今期のボーナスがカットされる病院が続出しているようです。幸いKAIの病院は大丈夫でしたが、前線で頑張っている方のボーナスが無いというのは、報われないなぁと感じます。

その分国が補填をしてくれるようです。よくやった国会!素晴らしい対応です。

気になる金額は、

(1)都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し患者と接する医療従事者や職員(対象期間に一定以上勤務した者であること):10万円
(2)(1)の内、実際に新型コロナウイルス感染症患者に診療等を行った医療機関等である場合:20万円
(3)その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員:5万円
(4)(3)の内、実際に新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れている場合:20万円

どうでしょうか?十分な補填に感じますが…。

定額給付金+慰労金でしっかりリフレッシュして、日々の業務を頑張りましょう。1人1人がまずは体を大切にお過ごしください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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